友達が家庭内の問題で離婚したいって言ってたニャ。でも、離婚してもお金がないしこの先のことを考えると・・・って困ってたんだけど、難しい問題でどうしてあげたらいいかニャあ??
確かに難しい問題じゃな。。ただ、「お金がないから」という理由で諦めてはいけないよ。ちゃんと正式な手続きをすれば問題なく今後の生活費も補償されるように決まっておるのじゃ。
そうニャの!?その手続ってどうすればいいの??
離婚する前に必ず知っておきたいことから説明しよう!
お互いが大好きで、とても大切に思い結婚したとしても、実際に一緒に生活をしてみたら相手の嫌なところが目についてしまったり、思い描いていたことと現実が違いすぎていたりして愛情が薄れてしまうことがありますよね。そんな時「もう一緒に生活していくのが辛い!」と感じて『離婚』を考えたりもするのではないでしょうか?
しかし、離婚をするにしてもお金がなかったり安定した仕事をしていなかったりと、いろいろな問題が出てきますよね。はたして、パートナーと離婚したいと思っていても、出ていくお金がなかったら離婚は難しいものなのでしょうか?離婚したいと思ってもお金がないと出ていけないと思っていませんか?
よく聞かれる「離婚ができない理由」の一つに【お金がない】という問題があります。離婚後は、自分が今後の生活費を稼がなくてはなりませんので、安定した仕事が必要になってきますが、その前に出ていくための費用がかかりますよね。離婚するとなると、引っ越しのお金や新しく住むための場所にかかる費用など、ある程度のお金が必要になってきます。
だから「お金がないから離婚ができない」と思い、我慢して生活をしている人達がいるのではないでしょうか。しかし、それは間違いなんですよ。お金がなくても離婚のために出ていくことはできるのです。
記事の目次
離婚成立までは婚姻費用を支払う義務がある
離婚するための手続きに入る前に約8割の夫婦が「別居」という形をとることが多いです。特に今まで専業主婦として家庭を守ってきた人にとっては、別居後の生活費が大変気になるところでしょう。実は、別居した後でも離婚が成立するまでは、夫に生活費としてその負担を請求することができます。
これについては、法律上で「夫婦は互いの生活を支える義務」というものが定められているため、この義務に基づいて婚姻費用を別居後に『調停』を申し立てれば、申し立てた月からお互いの収入に応じて費用を受け取ることができます。
そうすれば別居してから離婚が成立するまでの間、生活費の心配をすることは少なくなりますね。そのほか、支援制度や財産分与を上手に利用していくという方法もあります。
離婚したい・費用を請求したい場合は専門家へ依頼!
離婚の方法には以下の3つの方法があります。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 裁判離婚
もっとも早くて手間がかからないのは「協議離婚」ですが、パートナーが離婚したがらなかったり財産の分与などで話し合いにならない場合は、専門家にお願いする方がいいでしょう。離婚問題を数多く手掛けている弁護士であれば、問題点を見つけてどう動けばいいのかを熟知していますので、何かしらのアドバイスをしてくれます。
弁護士に相談した場合は、「調停離婚」と「裁判離婚」の二通りの離婚方法も可能です。(「調停離婚」は弁護士がいなくても申し立てできます。)
慰謝料(※1)や親権(※2)などを獲得したいと思っているならば、依頼者に有利になるような条件で動いてくれるため、大変頼りになりますし相談することによるメリットはかなり大きくなる可能性が高くなります。そのほか、財産分与(※3)や年金分割(※4)の相談もしておくと、今後お金や年金の心配も少なくなることでしょう。
また、腕の良い弁護士を知らなかったりお願いするための費用がないといった時には『法テラス』を利用してみるといいですよ。法テラスに関しては、下記の【離婚にあたり、かかる費用の把握】でもご紹介してありますので是非参考にしてください。
(※)説明
(※1)慰謝料とは、「精神的損害」に対し発生する「損害賠償金」のこと。所有物破損のほか、肉体的苦痛、悲嘆などの精神的苦痛、不法行為においては身体侵害・名誉侵害などの精神的損害に対して「慰謝料」が認められている。
(※2)親権とは、父親と母親が未成年の子供を養育するために、子どもを監護教育してその財産を管理すること。親の権利義務を総称して「親権」という。
(※3)財産分与とは、結婚生活の中で夫婦が共に築き上げてきた財産(家・貯金・家具など)を、離婚する際に貢献度に応じてそれぞれを分けること。「民法768条1項」により相手に対して財産分与を申し立てることができる。
(※4)年金分割とは、「年金分割制度」により離婚後に当事者の一方からの請求で、婚姻期間中の厚生年金及び共済年金を双方に分割することができる制度。ここには国民年金や国民年金基金、厚生年金基金は含まれません。なお、年金分割には請求期限があり、原則、離婚等をした日の翌日から2年以内とされています。
当面の間、別居してても生活費は渡してもらうのは正当な権利ってことだよね!
そういうことじゃ!
離婚したいと思った時にするべき行動
離婚したいと思ってもそれを実行してしまう前にやっておいた方がいいことがいくつかあります。
- 離婚にあたり、かかる費用の把握
- 離婚後に生活を安定させるための仕事探し
- 財産分与するための資産の把握
- 助成金の有無
では、それぞれを順番にみていきましょう。
離婚にあたり、かかる費用の把握
離婚をするためには、様々な費用がかかります。まず、別居するために必要になる費用が、
- 引っ越しの費用
- 引っ越し先の家賃・敷金・礼金
- 家具や家電など
これだけでも数十万円の出費となりますので、事前に準備しておく必要があります。そして、離婚の手続や交渉などを弁護士に依頼する場合は、さらにお金がかかります。
「離婚調停」を弁護士にお願いした場合、その費用は約60万円です。その内容は、だいたい着手金30万円に報酬金30万円がついて、経済的利益が10%程加算されるというようになっています。金額は地域によっても違いがあり、安かったり高かったりしますのでお願いしたい弁護士にその詳細を聞いておくといいでしょう。
また離婚の時にお願いしたい内容によって金額が変わってきます。たとえば…
- 財産分与
- 慰謝料の有無
- 親権
- 養育費の内容
- 離婚原因(不倫・DVなど)
上記の項目が付くことにより加算される場合がありますので、担当の弁護士に事前に尋ねておくといいでしょう。なお、『法テラス』(法専門家に頼みたいけど経済的に余裕がないなどの悩みがある人の支援)を利用することで、法律やその制度について無料で教えてくれますし、弁護士の費用を立て替えてくれたりもします。
もし頼みたい弁護士がいない場合は、法テラスで探してもらうと弁護士費用が低価格で済むこともありますので、利用してみるのもいいでしょう。
法テラスはお金がなくても無料相談してくるからまずは相談してみることが一番かも!
離婚後に生活を安定させるための仕事探し
離婚をしたら、今後の生活費は自分で稼がなくてはなりません。働き出してからお給料をもらうまでの約1か月間はお金が入ってきませんので、離婚を切り出す前に仕事を探して始めておくといいでしょう。
さらに子どもと生活する場合は、学費などもかかってきますからそのあたりも考慮に入れて仕事を探すようにしましょう。家を出ていこうと考えているなら、そのための費用も離婚を切り出す前に仕事をしながら貯めておいた方がいいですね。
財産分与するための資産の把握
財産分与の対象となる財産は、以下の7つとなっています。
- 現金
- 不動産
- 家具
- 家電
- 年金
- 退職金
- 有価証券
財産分与は決めなくても離婚することはできますが、自分が買ったものやこれだけは譲れないというものに関してしっかりと決めておいた方が、のちに分けておけばよかったと後悔することはありませんね。離婚をしてしまう前に、ある程度決めておいた方が自分にとって有利になることもありますよ。
民法
第四節 離婚 第一款 協議上の離婚
(財産分与)
第七百六十八条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。『民法』より引用
助成金の有無
親権を獲得する上で、先に知っておきたいのが助成金の有無です。子どもを一人育てるだけでも大変お金のかかりますので、そんな時に頼りになるのが、各自治体でおこなっている「ひとり親家庭への助成金および支援」です。
子どもが18才未満の場合、受けることができる支援がいろいろありますので、その一部をご紹介します。(各自治体によりその内容に違いがあったり、また行っていない支援や助成もあります。)
- 児童手当
- 児童扶養手当および特別児童扶養手当
- 障害児福祉手当
- 児童育成手当
- 母子家庭
- 父子家庭の住宅手当
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- 乳幼児や義務教育就学児の医療費助成
- 寡婦控除
- 母子家庭の国民健康保険
- 国民年金の免除
そのほかにも自治体独自で支援をおこなっていたり、助成金を決めていたりしますので離婚後の生活に困らないためにも事前に調べておいた方が安心ですよ。
おすすめ関連記事
取り決めた内容は必ず残すこと
弁護士を立てて離婚する場合でも、協議して離婚する場合でも、取り決めた内容は必ず書面にて残すようにしてください。離婚後に慰謝料が支払われなかったり養育費が支払われなかったりしたときに、書面にも残したものが大変役に立ちます。
弁護士がいる場合はそのあたりもきちんとやってもらえますが、協議離婚をした場合は口約束だけになってしまうことが非常に多いのです。決まったことは必ず離婚協議書にまとめて、公正証書にしておきましょう。
公正証書にすることにより、養育費の支払いが一回でも滞った場合、裁判所へ電話をするだけで相手の預金口座を差し押さえてくれたり、給料を差し押さえるなど強制執行してくれます。公正証書は公証役場にて専門の人(公証人)が作成してくれます。
公証役場で、離婚に関する取り決めを証書として残したいと依頼すれば、そのための必要事項や話し合わなければならない内容、必要諸経費など詳しく教えてくれますよ。この場合、相談だけならば費用はかかりません。
公正証書を作成して、諸経費が発生するという形になります。多少の経費はかかりますが、相手が支払いを怠るといった場合に即座に対応してくれる強力な味方になりますので、作成しておく方が間違いありません。
ただし、気を付けなければならないのが「相手と2人で公証役場に行かなくてはならない!」ということです。2人そろわないと公証人は証書作成を認めてはくれません。相手が嫌がっても連れて行かなくてはならないのが少々ネックですね。
できるだけ協議している場合には、書面で残しておくのが鉄則じゃ!
もし離婚する場合には、それに関わる費用がたくさんあります。詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?離婚はお金がないとできないものではありませんでしたね。事前に下調べをしておいたり、一人で稼がなくてはならなくなった時のために仕事を探したりすることによって、現在お金がなくても将来はひとりで立ち上がれるようになるのではないでしょうか。
また、専門家にお願いすることで話し合いがスムーズにいく場合があります。自分だけで悩んだり我慢したりせず、専門家に相談してみることも検討してみましょう。